プラウトヴィレッジは資本主義、社会主義に代わる社会制度で、お金が存在しない仕組み。持続可能な社会でもある。
戦争、貧困問題、自然破壊、気候変動、感染症と世界中でたくさんの社会問題が発生し続けている。一つずつの解決策を考えていると、平和な社会の実現ははるか遠くに思える。しかし、それらの問題の根本原因となっているある一点に気づけば、実は解決策はシンプルであることが見えてくる。その根本原因とは「お金の仕組み」のことで、あらゆる社会問題は、直接的、間接的にお金と関係している。
そのために、人間は自分達の生き方を考え直す必要がある。それは、何のために生き、どのようにして暮らしていかなければならないかということ。人間が生きていくためには自然も科学技術も必要だが、ここからはプラウトヴィレッジとはどういった社会かについてまとめている。簡単な結論から言えば次のような世界となる。
世界各地域では5万5000人前後の住民からなる直径5.5kmのプラウトヴィレッジという自治体が基本となり、食料、電力、住居、家電、生活品はすべて地元の資源で、地元の住民によって作られ、よってそれらを誰もが無償で享受する。住居は自然素材のストローベイルハウスで建てられ、自然へ返せる造りが基本となる。この住居は藁(ワラ)、早生桐、竹、石、土など自然素材が使用され、高気密、高断熱化された住居で終日冷暖房が行われる。その住居を誰もが自治体から無償で借り受ける。
電化製品はほとんどが化石資源やレアメタルを使わず作られ、資源の枯渇問題がなくなる。ただこれまでのハイテク技術ではなくミッドテック(ハイテクとローテク”手作業”の中間)が主体となる。生活品は地域で採集できる原料内で生産され、無料で得る。生産数は住民の人数分が上限となり、製品は再利用を前提とした設計となるため原料の採集は必要最低限になり、自然破壊が無くなる。
そして家庭からの排水はすべて住居隣から地面へ浸透させる。その為に化学物質が入っていない洗剤、石鹸、シャンプーが使用される。これによって海も川も汚染されることはなくなり、もとの澄んだ状態に戻る。
電力は海や川などでの振り子式潮流(ちょうりゅう)発電やマグネシウム電池を基本に考え、それに様々な発電技術を組み合わせる。そこに小型の風力発電などを組み合わせる。こうして電力は海や自治体の至る所で作られ、発電源を多様化して合計量を増やす。貨幣社会ではないので、莫大な電力は必要なくなる。
食料は各家庭に提供される農地で、農薬を使わず自然の力に任せる自然農法で自給自足を行う。これにより土壌汚染がなくなり、貧困に陥いる住民もいなくなる。
地元の森林も自治体が管理し、生涯残す樹木と伐採用樹木を区別して管理し、計画的に植樹もする。そうすることで、自然の多い自治体が世界中で維持される。
教育は貨幣社会のような学校はなくなる。プラウトヴィレッジでは子供から大人まで、誰もが好きなことを一人もしくはグループで行なっている。つまりそのグループやサークルが基本単位となり、塾を選ぶように子供や大人が好きなものを選択して参加するか、独自に活動する。そして誰もが好奇心のあることに自己責任で取り組むことを幼年期から行う。
朝から晩まで働くような仕事はなく、住民は公共事業がある場合のみ。それは週に数時間程度。それ以外の時間は自分の好きなことをして過ごす。そして学校、会社、自然破壊、汚染、ゴミ、貨幣、税、貧困などはなくなる。年金制度もなく、食べ物も住居も自分たちで作るので、誰もが生涯不自由なく生きていける。
もし自然災害が起こり自治体が破壊されても、復興は地元の資源で行うため資金は必要なく、復興後の経済がうまく回るかも考える必要がない。必要なのは人手と地元の資源であり、人々には自由な時間があるので復興も迅速に行われる。
こういった自治体で構成される国が増え、文化と多様性が尊重され、各国へはパスポートなしで自由に行き来できる。主な交通手段は、自治体内では地上を時速20キロで走る自動車、自治体間の中長距離移動は電車で、全て電気が動力源。
プラウトヴィレッジでの生活にはスピードを求められる仕事がなく、誰もがのんびり生活しているため、地上ではスピードではなく安全運転が第一優先となる。また自治体の端(はし)から中心までの半径は2.75kmなので、時速20キロで走っても9分で到着する。遠出をする時は電車で移動し、着いた先の自治体で車を借りて目的地に向かう。こういったことにより、交通事故とそれによる死亡数のどちらもゼロを目指す。
このようにしてつながった世界は、各国の代表者が集まる世界連邦という1つの組織によって統治され、国境はなくなり、貧困もなくなり、金銭や資源目当ての戦争も起こる理由がなくなる。世界の行き来が自由になることによって民族の交流が盛んになる。
これは持続可能で人間の能力が最大限に発揮される社会の在り方で、貨幣がない社会。資本主義社会では金銭を得るため定年まで一日長時間働かなければならないが、地域社会が中心となり、地域の住民分だけ生産する社会に移行すれば、必要最低限の公共事業と資源の採集で事足りる。
プラウトヴィレッジを作れば、世界中で見られる陸・海・空の環境破壊や社会問題はなくなる。しかし人間にとっては別の問題が残る。それは人間の人生には、怒り、後悔、不安、嫉妬、劣等感などの苦しみがあり、それらは人間の自我(エゴ)が原因となっている。この自我は思考のことで、思考が苦しみを生む。この思考を静めて無心になれば苦しみが和らいでいく。それは意識を一点に集中させることで可能となる。この継続によって無心が習慣化され、心穏やかな人生を作り出す。つまりプラウトヴィレッジでは、人間の心の部分にも取り組む。
貨幣社会には様々な社会問題が存在する。次の表はその例と、プラウトヴィレッジでの解決策。
社会問題とお金とのつながり
世界中の多くの人が解決策を考えてきた。しかし社会問題の数は、減るどころか山積みとなっている。これらの根本的原因は結局のところ、お金で生活を成り立たせている貨幣社会が不完全なため。この部分を変えなければ、問題はいつまでたってもなくなることはない。プラウトヴィレッジはこの全ての社会問題の解決案でもある。
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