○現実世界のいじめや犯罪の防止策と措置内容[1]

  人間に「私」という自我がある以上、怒り、劣等感、不満足、責任転嫁、悪口、暴力など、自分を優先し、他者に対してネガティブな行動を起こす。つまり自治体の取り組みとして、また親も子も無心について知り、自我(エゴ)をコントロールする術(すべ)を身につけられるよう推奨する。問題行動の原因も人生の苦しみもそこにあるとわかっていれば、自分の発言、行動を客観的に見つめることができる。



 そしてインターネット以外でいじめが起きている場所はどこかと考えてみると、学校や職場が大半を占める。これらに共通することは「定期的に、一定時間、強制的に気の合わない人と同じ空間にいなければならない」ことや、「一つの目標のために集団行動をすると、そこでの基準を満たせない人や結果を出せない人が攻撃の対象になりやすい」ことなどがあげられる。しかし貨幣社会では学校を簡単に変えることはできず、次の職が見つかるかもわからないので簡単に職場を変えることもできず、いじめを回避することは容易ではない。

 プラウトヴィレッジでは1日の大半を、気の合わない人と過ごさなければならない学校や職場は存在しない。ここで大事なことは、親や周囲の人間は子供であれ大人であれ本人がしたくないと言えば無理に続けさせず、好奇心に沿って、場所を変えてでもたくさんのことに挑戦させること。嫌なことがあった時にそれを忍耐強く続けるべきなのか、それとも回避すべきなのかは本人に決めさせる。そういったことの積み重ねが、自己責任と自己解決ができる能力を育ませていく。家庭内暴力などの問題も同じで、プラウトヴィレッジでは女性も子供も簡単に住居を変えることができるので、暴力を振るう夫を回避することが容易になる。そして妻などが町会に通報すれば、5長が夫の暴力が違法か判断し、措置も決める。ただその場合も証拠がなければ違法とはなりずらい。

 こうして人間関係で生まれるストレスや、長期的に続くいじめを簡単に回避できる仕組みにする。あとは単発の嫌がらせや悪ふざけがある程度となる。現実世界のいじめや誹謗中傷の基準は、本人が嫌がっていることを何度も繰り返すかどうかにある。

 ただいじめを受けている側は自分から助けを求めることは少ないので、それに気づいた周囲の人が町会に持ち込み、話し合って対応策を決める。つまりいじめなど犯罪があれば、被害者や気づいた人は5長から1長までのリーダーや町会に直接連絡する。そうして自治体全体で情報を共有しあって他人事とせず、集団で行動し解決を目指す。もし4長から1長に先に通報が行った場合は、その長はまず5長にその話を知らせ、5長が対応する。

 そしてプラウトヴィレッジとして推奨する対策として、塾やスポーツチームなどグループ活動を行う際、代表者は始めに一つのルールを参加者に伝える。それは、グループ内でいじめが起これば、その加害者は出入り禁止になるか、グループから離して個別の場所で活動することになるか、曜日を変えて活動することになるということ。
 例えば子供のグループでいじめが起きた時、近くにいる子供達はそのことに気づいていることが多い。しかし加害者は能力があって中心的な立場にいたり、威圧的な雰囲気があったりすると、注意しようとする人は次は自分がいじめられる立場になる可能性を感じる。そうして注意できず、同調したり見て見ぬふりをすることがある。その場合は気づいた人は、グループの代表者や町会に知らせに行く。そして代表者はその加害者をグループから取り除くと、雰囲気が良くなることがある。

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