○AI
現在のAI(人工知能)の多くは、GPU(ジーピーユー)という大量の計算を並列に高速処理するためのチップを使っている。GPUにもレアメタルが使用されており、次の通り持続可能性で問題がある。
AIのGPUに関する主な問題点一覧
現時点ではプラウトヴィレッジへのAIの導入は考えていないが、AIそのものは有益な技術で、持続可能な科学の発展などにも貢献する可能性がある。ただそもそもレアメタルの問題から個人所有のPCはなくなり、共有PCを自治体に1台置く程度になる。よって全員が常時使える技術ではなくなる。その上で、最低限の利用として導入するとなった場合、プラウトヴィレッジのAIは次の内容を目指すことになる。
プラウトヴィレッジでの「信頼できるAIとは何か?」という問いに対しては、「非営利」×「オープンソース」×「透明性」となる。
もし営利企業のAIがオープンソース化されればそれで良いが、そうでない場合は次のものが案になる。
またAIは電力消費量が大きいので、プラウトヴィレッジでは下記が優先的にAI利用を考える分野となる。
優先度が高い事項
●医療、健康診断など
その他の検討事項
●世界中の町会の起こりうる問題と問題解決方法をまとめて参考にできる機能
●自治体住民の意見を募集し集約して、リーダーが参考にできる機能。
○オープンソース化への未来シナリオ
通信用HFメッシュネットワークはミッドテックでレアメタルフリーだが、共有PCはインターネットに接続して行う。そのため半導体など高度な製造技術がいる。ただ貨幣社会ではこの技術が少数企業の独占状態にある。プラウトヴィレッジ単体でこの技術を導入することはできないので、まずミッドテックの個人端末や通信ネットワークを広げていく。そしてプラウトヴィレッジが広がり貨幣社会が縮小していくと同時に、半導体技術などのオープンソース化への圧力が高まっていくと予測する。次はその未来シナリオ。
【フェーズ1】現状と初期構築期(今〜30年)
⚫︎現代の巨大半導体企業が主導する技術集中状態
・半導体の製造は超巨大工場や設備が必須で、一部の大企業が独占状態。
・資源依存(レアメタル)と環境負荷が大きく、持続可能性に課題あり。
⚫︎プラウトヴィレッジモデルの地域通信用ミッドテック通信ネットワークの構築開始
・限定的機能(通話・テキスト中心)のミッドテック端末導入。
・低帯域・省資源のネットワークを自治体単位で設計・運用。
⚫︎自治体レベルでの端末製造・リサイクル試験開始
・先進技術よりもシンプルで耐久性重視の設計を採用。
・資源効率・リサイクル重視の運用モデル構築。
【フェーズ2】転換期
⚫︎貨幣経済の縮小と共有経済の拡大
・プラウトヴィレッジの自律分散型社会モデルが広がり、従来の営利優先経済は縮小。
・物質的豊かさより持続可能な社会構築が重視される。
⚫︎半導体企業の収益悪化と技術公開の圧力増加
・新規投資が減り、従来の巨大生産体制の維持が困難に。
・社会的圧力や政策介入により、半導体技術の部分的オープン化や共有化が進む。
⚫︎半導体技術の段階的地域移転と共有開始
・技術ライセンス、ノウハウが国際協力や世界連邦的な枠組みで共有される。
・自治体レベルでの高度な共有PC製造が可能になり始める。
【フェーズ3】成熟期
⚫︎完全な技術共有と持続可能インフラの確立
・半導体製造技術は世界連邦などの協調体制で平等に分配・管理。
・環境負荷を最小化する製造方法が標準化される。
⚫︎地域単位で自己完結的に通信機器を製造、維持
・高度なリサイクルと資源循環が日常的に行われる。
・資源の偏在は世界連邦の公平配分ルールにより解消。
⚫︎プログラミングやソフトウェア知識も教育機関で恒常的に伝承
・技術・知識の継承システムが整い、個人から地域全体へ共有される。
【フェーズ4】長期維持・進化期
⚫︎技術はオープンソースかつ持続可能な形で管理
・技術の独占はなく、人類共通の財産として扱われる。
・資源循環型社会と融合し、ハード・ソフトともに長寿命化、メンテナンス重視。
⚫︎通信ネットワークは自律分散型で冗長化され、環境変動や災害に強い
・低帯域通信中心でエネルギー効率も最適化。
⚫︎知識伝承と技術革新は持続的に行われ、持続可能な資源適用への研究開発が進む
・人類の社会的進化に寄与
これらは、今のままの経済・技術モデルを続けると、資源枯渇や環境破壊、技術の独占によって長期的な持続は難しいという現状認識に基づいている。
資源の枯渇問題は、国境を越えたグローバル課題であり、各国が単独で対応することは極めて困難となっている。医療機器、通信インフラ、発電設備、水管理、防災観測といった重要な設備は、どの国においても必要不可欠であり、その基盤となるレアメタルなどの安定供給は世界共通の課題である。これらの設備は高度な技術力を要し、また素材面でも代替困難なものが多く、自治体レベルでの対応は極めて難しい。
このため、代替素材の開発やリサイクル技術、持続可能な採掘技術の共同研究・開発を世界連邦で推進することも不可欠となる。これにより、資源の安定供給と環境負荷の低減を両立し、グローバルな課題の解決を図る。
このように、単純に「レアメタルなど資源をどうするか」だけでなく、設計から資源管理、技術共有、生活様式まで総合的に見直していく必要がある。そして世界連邦はその地球資源の統合的管理機構となる。こういったこと必要性は2030年頃より資源の天井が見え始める瞬間に徐々に噴出する。少なくとも下記の組織が世界連邦に必要になってくる。
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